経口血糖降下薬とインスリン

インスリンの働き

インスリンは体内の血糖を下げる唯一のホルモンで、すい臓で作られています。

炭水化物を食べると、まず、小腸で消化吸収されます。
そしてブドウ糖となって肝臓へ送られます。ブドウ糖は脳や筋肉で利用され、生命活動のエネルギーとなります。余ったブドウ糖は肝臓内に蓄えられ、更に余ると脂肪になります。

インスリンは、これらの流れ、ブドウ糖をエネルギーとして利用する手助けをしています。

インスリンの働き

 

インスリンの働きが低下していたり、インスリン自体が不足すると、ブドウ糖がエネルギーを必要としている細胞の中に運ばれなくなり、血液の中にあふれるため血糖値が上がり、更にブドウ糖が必要な細胞はエネルギーをもらえないので、正常に機能できなくなるというわけです。

 

糖尿病の治療方法

現代医学で主に使用されている主な糖尿病の治療薬は、膵臓に作用してインスリンの分泌を促進するスルホニル(SU)薬と糖質をブドウ糖に分解する酵素を阻害してブドウ糖の吸収を遅らせるα-グルコシダーゼ阻害薬(α-GI)です。他にビグアナイド(BG)薬・チアゾリジン薬・速効型インスリン分泌促進薬があります。

これら5つの薬は全て経口血糖降下薬ですが、スルホニル(SU)薬は、低血糖・体重増加、α-グルコシダーゼ阻害薬(α-GI)はおなかが張る・ガスが溜まりやすくなる・下痢、ビグアナイド(BG)薬は、おなかが張る・食欲不振・胃のむかつき、チアゾリジン薬は体重増加・むくみ、速効型インスリン分泌促進薬は低血糖、とそれぞれ副作用があります。(食直前に服用する)

経口血糖降下薬で血糖値が下がらない場合はインスリンそのものを使います。

ところが糖尿病は、腎臓や肝臓が悪くなり、血圧やコレステロールなども異常となり服用する薬剤も増え、それらの薬剤の相互的な副作用を考えると管理やコントロールが非常に難しくなるのが現状です。最近は、SGLT2阻害薬(ブドウ糖を尿に排泄、血糖を下げる)、DPP-4阻害薬(食事をとったときのすい臓からのインスリンの分泌などを調整して血糖を下げる、SU剤との併用には注意が必要)、GLP1作動薬(血糖値を下げる、SU薬やインスリンとの併用は注意が必要)、と新薬も次々と使用されています。

糖尿病とインスリン

 

そこで中成薬(漢方薬)を活用することも考えてみる必要があると思います。

糖尿病は中医学では“消渇”病の範囲に属しています。
主な症状は多飲多食多尿で体重は減少し、痩せてきます。

原因ですが、多くは老化、体の疲労、性生活過多、飲食の不摂生などにより、内臓の機能不足をおこしています。古典の(霊枢、五邪篇):「五臓皆柔弱者、善病消渇」といわれます。

糖尿病も、生活習慣病にも、漢方の智慧が役立ってくれると思います。

病院の治療との併用もできます。
おひとりで悩まず、詳しくはお気軽にご来店ご相談ください。

糖尿病とインスリン

 

 

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