ストレスは大敵!
人間関係や仕事や家庭でのプレッシャーなどの環境も原因しています。病院では抗うつ剤や抗不安剤が出されます。確かに症状は好転しますが、この種の薬を飲み続ける事に不安や抵抗がある人もいます。抗うつ剤や抗不安薬は体に対する依存性だけでなく、精神的にも依存性がでてしまいます。
中国医学では「心は神を蔵す」「心は神明をつかさどる」といわれ、人間の精神的活動を「心」と深く結びつけて考えていきます。ショックを受けた時、胸騒ぎがしたり動悸がしたりする場合は「心の気血」が養われず、精神意識活動が落ちている状態とみます。この場合、足りない「心の気血」を補い、一方では「神」に「気血」をとどける道を塞ぐ原因となる「痰濁」と「お血」を取り除くといった方法で対応していきます。
また、心の「気血」の不足は後天的エネルギーを送る消化器の機能失調が原因することが多いので、帰脾湯で補ったり、父母より受け継いだ先天的エネルギーの「腎精」の不足により「心」の働きが弱っている場合には天王補心丹を活用したりします。
「怪病多痰」(奇怪な病気は痰が関係している)という言葉があります。
てんかんやうつ病などはこの理論を応用することがあります。痰を取り去る代表的な漢方薬は温胆湯(うんたんとう)です。また、血液の流れの停滞を改善するには丹参を主剤とした冠元顆粒を活用します。実際には痰と瘀血(おけつ)が結びついている「痰瘀阻竅」が多く、改善には時間がかかることが常です。
ココロに対応する中医学
ココロに対応するには、五臓・・・肝、心、脾、肺、腎の平衡が大切です。
中医学で鬱(うつ)を分類するとき、実証と虚証に分けて考えます。
実証の主なものは「肝気鬱結」、体内の「気」の流通がスムーズでなく停滞した状態「気滞」によるもので、 精神的抑鬱、情緒の変動、飲食の節制不足、痰湿(たんしつ)、お血(おけつ)など、原因はいろいろあります。
具体的な症状は、「イライラ」「怒りっぽい」「胸脇部が張って苦しい」などです。 肝気鬱結によく使用される生薬は香附子、紫蘇葉、陳皮などで、代表的処方は柴胡疎肝散ですが、日本にはないため、逍遥丸に香蘇散などを加え代用します。
虚証では気血の不足による「脾気不足」「心脾両虚」が主なもので、具体的症状として「気分が晴れやかでない」「やる気がでない」「落ち込みやすい」「考えが消極的、悲観的」など、虚証では人参がよく使用されています。代表的な漢方薬は、前者では補中益気湯、後者では帰脾湯で、特によく利用するのは歴代の有名な医家により改良が重ねられ、現在の処方になった帰脾湯です。
中医学では精神活動の基本である「気」の生成は消化器が重要な役割をはたしていると考えます。「気」を補う作用のある、人参、黄耆などが活用され、気持ちを安定させる生薬である遠志、酸棗仁、龍眼肉などを配合した帰脾湯が現在、精神安定剤などを使用しても好転が見られない場合でも改善したケースを多く出しています。
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