もしかして不妊?

原因は男女50%50%

もしかして不妊?不妊というのは病気ではありません。
避妊をせずに普通に夫婦生活を送って、1回の排卵周期あたりの妊娠率は約20%といわれています。 3ヶ月以内が50%、6ヶ月以内が70%、1年だと85%のご夫婦が赤ちゃんを授かっているという統計結果があります。

この結果を踏まえると、2年経過しても妊娠されない場合は、何らかの原因があると考えられます。そして赤ちゃんが欲しいご家庭は、病院に相談・検査に行くということになるのですが、現在では、不妊の原因は女性因子の排卵障害が20%、卵管障害15%、子宮因子10%、男性因子は40%、原因不明が15%といわれています。昔は不妊は女性側の問題ばかりととらえられていましたが、現在は男女約半々の可能性があることがわかっています。

 

妊娠の仕組みと不妊の原因

妊娠の仕組みと不妊の原因

1.排卵する
卵子は胎児の時に作られます。誕生する時には一生の間排卵する卵子、約200万個が作られており、排卵するまで卵巣で眠っています。

ここで考えられる原因
1.卵胞発育障害: 高PRL血症、PCOS、卵巣機能不全など
2.成熟卵胞の排卵障害: 黄体化未破裂卵胞(LUF)

2.卵管采、卵の取り込み
排卵された卵子は、卵管采へ取り込まれます。キャッチされた卵子は卵管に入り、卵管膨大部で精子がくるのを待ちます。

ここで考えられる原因
1.クラミジア感染、淋菌感染
2.子宮内膜症
3.形成不全、腫瘍など

3.射精
射精された精子は多くが膣内で死んでしまいます。運よく子宮頸管を通り、子宮腔へ泳ぎきった精子は、卵子の待つ卵管膨大部を目指します。

ここで考えられる原因
1.頚管因子: 解剖学的な異常(先天と後天)、頚管粘液の異常、精子一頚管粘液不適合
2.膣因子: 先天的な異常、炎症、腫瘍など
3.男性因子: 精子、精液の異常、精路閉塞、射精、勃起障害

4.受精
卵管膨大部で待っている卵子は透明帯という殻に覆われています。一番に辿り着いた精子は、透明帯を溶かす酵素を出しながら卵子の表面へ着きます。最初の精子が透明帯を通過すると、透明帯に変化が起きて他の精子はシャットアウトされます。

ここで考えられる原因
受精障害: 卵子と精子、いずれかの異常によるもの

5.受精卵は分裂しながら子宮腔へ、そして着床

受精後、精子と卵子の染色体があわさり、数時間後には2つの細胞になり、そして、4細胞→8細胞と分裂を繰り返し、成長しながら卵管内を移動します。受精後5日ほどすると胚盤胞(はいばんほう)となり、更に数日かけて着床の準備をしていた子宮内膜の上皮細胞に着床します。
*子宮は着床の準備を排卵後にいつも行っています。もし受精も着床もなかった場合には厚くなった子宮内膜は剥がれ体外へ排出されます。これが生理です。

ここで考えられる原因
1.子宮因子: 先天奇形、子宮筋腫、子宮内膜、ポリープ、子宮腔癒着症など
2.黄体機能不全

 

ご夫婦、二人三脚

ご夫婦、二人三脚
不妊の原因はそれぞれ、多岐に渡るということがおわかり頂けたと思います。そして、赤ちゃんはお二人揃って初めて恵まれるもの、もし原因が男性にだけ女性にだけあるという事がわかったとしても、ご夫婦お二人で支えあってください。

★プチアドバイス★

体を冷やさない!
体温調整に気を使い(空調には頼らない)、生もの・冷たい飲食を避けましょう。

ストレスを溜めない!
ストレスは気を消耗し、流れを滞らせてしまいます。ゆったりとした気持ちでストレスは適宜発散を心がけましょう。

体を動かす!
過度な運動ではなく、ストレッチやウォーキングなど、妊娠してからも必要になってきます。適度に体を動かすことは気血の流れを良くし、心もほぐし、体も温めてくれます。

赤ちゃんを望まれる方は是非一度、健康診断を兼ねるくらいの気持ちで病院で検査されること(もちろんご夫婦とも)をおすすめします。

 

 

前の記事

糖尿病

次の記事

周期法とは