糖尿病
糖尿病とは?
中医学(中国漢方)の古典『黄帝内経(こうていだいけい)』には、糖尿病は「消渇(しょうかつ)」という名称で記されています。『黄帝内経(こうていだいけい)』は紀元前206~208年頃に編修されたと伝えられているので、糖尿病は実に古くからあった疾患だと伺えます。
糖尿病の指標は以下のとおりです。
空腹時血糖 ≧ 126mg/dL
随時血糖値 ≧ 200mg/dL
75gブドウ糖負荷試験での2時間値 ≧ 200mg/dL
(※ブトウ糖を飲みながら経過を調べる試験)
HbA1c ≧ 6.5%
(※過去1~2ヶ月の血糖値)
糖尿病は、糖代謝の異常によって起こるもので、血糖値(血液中のブドウ糖濃度)が病的に高まることによって、放っておくと 心筋梗塞・脳障害・高血圧・末梢神経障害・糖尿病性網膜症・腎症(透析に至る)などの合併症をきたす危険性のある病気です。
自覚症状がない場合でも確実に進行・発症します。
中医学(中国漢方)では糖尿病は気陰両虚とお血が基本にあると考えます。ひとりひとりの体質や進行過程に応じて漢方薬を組み合わせ、養生方法も併せて対応します。
糖尿病の種類
1型糖尿病
膵臓のβ細胞というインスリンを作る細胞が破壊され、体内のインスリン分泌がほぼゼロになってしまい起こります。小児や若年層に多いので小児糖尿病などといわれてきましたが、高齢者でもβ細胞が破壊されることがあります。
自己免疫によるβ細胞の破壊のために発症したものを1A型、1B型はβ細胞が破壊された理由が不明なものでアフリカ系やアジア系に多いのが特徴です。
2型糖尿病
日本の糖尿病のおよそ95%はこのタイプです。
インスリン分泌量はゼロではないのですが、かなり少ない状態、または肝臓や筋肉などの細胞のインスリン感受性が低下した状態(インスリンの働きが悪い)ために、ブドウ糖がうまく取り入れられなくなって起こるものです。
遺伝子の異常やほかの病気が原因となるもの
遺伝子の異常や肝臓や膵臓の病気、感染症、免疫異常、薬剤などが原因で、糖尿病が引き起こされるタイプです。
遺伝子の異常やほかの病気が原因となるもの
遺伝子の異常や肝臓や膵臓の病気、感染症、免疫異常、薬剤などが原因で、糖尿病が引き起こされるタイプです。
妊娠糖尿病
妊娠をきっかけとして糖尿病の症状(血糖値が高くなる)が発症するものです。糖尿病患者が妊娠することは「糖尿病合併妊娠」といいます。妊娠糖尿病は、妊娠中毒症・尿路感染症・巨大児といった症状に進展することがあります。先天的な問題であることが多いといわれています。
糖尿病が怖い理由
糖尿病といっても初期は全く自覚症状のない糖尿病の患者さんが多くいますが「よくつまずけば糖尿病」とも言い、疲れやすく足にチカラが入りにくくなったり知覚も鈍くなる為、転びやすくなります。
また、のどが渇き大量に水を飲むためトイレが近くなったり、食欲が旺盛になりたくさん食べるのに体重は減少していくという矛盾現象が起こったり、ひどく疲れやすくだるくなる、といった症状を感じるようになります。
現在では血糖値を下げることはそう難しいことではありませんが、糖尿病は慢性に経過してゆき、糖尿病の怖いところは、動脈硬化や神経障害、腎不全など、中医学でいう「お血(おけつ)」による深刻な病気につながっていくからです。
患者さんは食事や運動の注意を事細かに指示されるため、生真面目な人はこれがまたストレスとなり結果として良くない状態を招くことが多々あります。
いずれの場合も、わたしたちがお役に立てるかも知れません。
心配や不安のある方は、お気軽にご相談にいらしてくださいね。