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乾癬、掌蹠膿疱症


乾癬(かんせん)

原因が不明でなおりにくい皮膚疾患に乾癬(かんせん)があります。
最も多い尋常性乾癬(じんじょうせいかんせん)の他に、関節症性乾癬(かんせつしょうせいかんせん)、膿疱性乾癬(のうほうせいかんせん)、滴状乾癬(てきじょうかんせん)の4種類があります。
いずれも他人に伝染る病気ではないのですが、美的観点などで精神的に引き込みがちです。

完治が難しいとされている為、症状の緩和に重点がおかれます。症状の特徴は皮膚面が比較的大きく赤く盛り上がり、銀白色のかさぶたの古くなったものが重なって付着しています。下の層は剥がれにくく、無理に剥がすと、点状の出血が見られるのが特徴です。

現代医学では飲み薬として免疫抑制剤などを使用する場合もありますが、副作用で体力の消耗がひどく治療を断念された方もいます。特に日常生活に支障をきたすということではないので外用治療が中心に行われています。

乾癬かんせん 乾癬には決定的決め手がなく数十年、進行期、安定期、退行期を繰り返します。

中医学では血熱血お(けつお)熱毒など、独特の考えを取り入れ、症状をより早く退行期にもっていき、まずは安定期間を長く保つようにしていきます。

中国では雷公藤(昆明山海棠)などの生薬が研究されているようですが、日本では入手することは出来ません。現在日本で許可されている生薬をうまく組み合わせて活用していきます。

血熱は進行期によく見られ、新しい紅色の盛り上がりが続けて発生します。紫根、赤芍、牡丹皮、生地黄などの涼血性の生薬を用い血熱を冷まし、血おでは、皮革状で色は暗い赤となります。ここでは、山稜、ガジュツ、桃仁、紅花、丹参などの生薬を用い、局所での血液の滞りを改善していきます。

熱毒には、五味消毒飲加減、白花蛇舌草、五行草、板藍根などで対応します。このような生薬は自然の恵で体への負担が少なく、副作用の心配が非常に低く、現代医学との併用により早く安定期へと繋げることが可能です。




掌蹠膿疱症(しょうせきのうほうしょう)

掌蹠膿疱症(しょうせきのうほうしょう)は、ウミが溜まった無菌性の膿疱と呼ばれる皮疹が手のひら(手掌)や足の裏(足蹠)に多くみられ、その後黄褐色のかさぶたになる病気で周期的に良くなったり、悪くなったりを繰り返すものです。やはり他人に伝染る病気ではありません。
基本的には慢性難治性の疾患で、当店へご相談に来られた方も10年20年と治療を続けていることが少なくありません。

間違いやすい疾患として、汗疱状の水虫、膿疱性乾癬(この一種だという説もあります。)があります。約半数の患者に病巣感染の疑われることから扁桃の摘出、虫歯、歯槽膿漏の治療が有効なことがあります。また、義歯などの金属アレルギー反応なども疑われ、入れ歯を他の材質に変えることでよくなる人もいます。

現代医学では消炎剤、抗ヒスタミン剤、広域抗生物質、ステロイド軟膏のODT療法(患部にステロイド軟膏をすりこみ、この上をポリエチレン膜で覆い、周囲を絆創膏で固定し、12時間~24時間放置する方法)が一般的です。

掌蹠膿疱症しょうせきのうほうしょう 中医学では湿熱熱毒血熱が原因ととらえ、「清熱利湿」「解毒涼血」といった方法で対応します。

湿熱に対しては瀉火利湿顆粒、解毒涼血では五味消毒飲加減に涼血清営顆粒などを使用し、白花蛇舌草、板藍根、五行草なども、体内の病巣感染が疑われる場合には特に有効であると考えます。

外用では五行草クリームに中黄膏を混合し活用します。

間違いやすい病気のため、皮膚科専門医の受診(角質の一部を切り取り顕微鏡などで調べる病理検査)は必要です。





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