五臓代謝平衡法

五臓代謝平衡法
現代医学では糖尿病を「膵臓」というひとつの臓器で見ますが、中医学では、膵臓には脾を中心として肝胆・胃腸と統合しているものと理解しています。そして消化・代謝などその働きは脾を中心として肝・肺・心・腎・胃が常に関連している、と考えます。

中医学では、体も心も常に互いに助け合い、影響しあい、そのバランスが取れている状態=健康、と定義していますが、これらのバランスが崩れることによって病気になる、と考えています。

特に、糖の代謝異常は、一~ニ箇所だけではなく、五臓と心すべてのバランスを整えてあげることが重要となってきます。

糖尿病は【気滞熱盛】【気陰両虚】【陰陽両虚】といった風に変化していくことが多いです。

【気滞熱盛】は熱性の状態で、インスリンはやや過剰に作られるのですが、それでもうまく使われないので血糖値をコントロールできない状態です。

【気陰両虚】についてですが、通常の気陰両虚は栄養から気(エネルギー)が作られるのですが、消耗しすぎるという特徴があります。しかし、糖尿病の場合は、そもそも栄養から気(エネルギー)が十分に作られない、という特徴があります。

【陰陽両虚】は脾精の働きが著しく低下している状態、糖尿病後期の方ややせている体型の方によく見られます。

血糖値を下げることだけを目的とせず、脾腎を中心とした五臓を正常に戻していくことが肝要ということです。

糖尿病★群馬県の漢方相談薬局仁盛堂薬局

 

糖尿病の治法について

糖尿病は、種類もさまざまですが、合併症もさまざまで、経過もお一人お一人違います。

治法としては、滋陰清熱(じいんせいねつ)、健脾益腎(けんぴえきじん)、益気養陰活血(えっきよういんかっけつ)、平肝降圧(へいかんこうあつ)などが挙げられます。

黄耆(おうぎ)、麦門冬、生地黄、桂皮、桑椹(そうじん:桑の果穂)、胡桃仁(ことうにん)、益知仁、丹参(たんじん)、瓢箪(ひょうたん)、枸杞子、紅参、ジャノヒゲ、蕎麦(きょうばく)などの生薬がよく用いられますが、おひとりおひとりに合わせて組み合わせて用います。

※漢方薬は医薬品です。
服用の際は必ず漢方の専門家にご相談ください。

 

 

 

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