のぼせ、ほてり、眩暈
我慢できないのぼせ・ほてりに瀉火補腎丸
病気はその時代の生活環境が反映され、季節とも密接に関係します。自然の一部である人間にとって、早寝早起きが理想的なことは理解できます。ところが最近生活が夜間に以降している事が気にかかります。深夜営業の店は増え、時間を延長して遅くまで営業しているスーパーも多くなってきました。その結果、体に悪影響がでています。
夜更かし、睡眠不足などで、体に必要な水分(体液)が出来なく、手足のほてり、顔面の紅潮、微熱、口渇が続くなどの症状を訴える人が増えています。体液を補うということは単純に水分を吸収すればよい事ではありません。またこれら熱エネルギーに対し抗生物質、解熱剤などで抑制することはできません。
中医学(中国漢方)では不足した体液を補うことを、滋陰という方法で対応します。舌が鏡面舌といってツルツルしていたり、裂紋といってひび割れていたりする人はこのタイプの人です。漢方薬は主に瀉火補腎丸(しゃかほじんがん)を使用します。瀉火補腎丸は腎の陰を補う六味地黄丸に、熱や興奮を鎮める地母、黄柏を加えた処方で、消耗した陰(体液)を補い、過剰な亢進を抑制して、余分な熱(のぼせ・ほてり)をとって、精神的安定をもたらしてくれます。
また夏は発汗のため、体の水分不足の状態になりやすいですね。 中医学では、津液(有用な水分)が不足した状態を陰虚(いんきょ)といい、上記の症状を訴えることが多く、のどの渇きによって水分をとりすぎると、余分な水分(水湿)が体内にたまり、尿の出が悪い、倦怠感、むくみなどの症状が現われます。この場合一方では潤いが不足し、他方では不要な水湿が停滞するという矛盾が体内に生じています。舌の状態をみると苔がまばらな地図状のこともあります。体液を補いながら、余分な水湿を取り除くといった対応が必要になってきます。
夜更かし、睡眠不足などで、体に必要な水分(体液)が出来なく、手足のほてり、顔面の紅潮、微熱、口渇が続くなどの症状を訴える人が増えています。体液を補うということは単純に水分を吸収すればよい事ではありません。またこれら熱エネルギーに対し抗生物質、解熱剤などで抑制することはできません。
中医学(中国漢方)では不足した体液を補うことを、滋陰という方法で対応します。舌が鏡面舌といってツルツルしていたり、裂紋といってひび割れていたりする人はこのタイプの人です。漢方薬は主に瀉火補腎丸(しゃかほじんがん)を使用します。瀉火補腎丸は腎の陰を補う六味地黄丸に、熱や興奮を鎮める地母、黄柏を加えた処方で、消耗した陰(体液)を補い、過剰な亢進を抑制して、余分な熱(のぼせ・ほてり)をとって、精神的安定をもたらしてくれます。
また夏は発汗のため、体の水分不足の状態になりやすいですね。 中医学では、津液(有用な水分)が不足した状態を陰虚(いんきょ)といい、上記の症状を訴えることが多く、のどの渇きによって水分をとりすぎると、余分な水分(水湿)が体内にたまり、尿の出が悪い、倦怠感、むくみなどの症状が現われます。この場合一方では潤いが不足し、他方では不要な水湿が停滞するという矛盾が体内に生じています。舌の状態をみると苔がまばらな地図状のこともあります。体液を補いながら、余分な水湿を取り除くといった対応が必要になってきます。

眩暈(めまい)と中医学
現代医学では眩暈に関係する疾患は貧血・高血圧・脳血管障害・メニエール・眼疾患など広範囲に渡り、原因不明のまま対処療法を行うことも少なくありません。中医学(中国漢方)での考えかたは単純です。これらの疾患名は考えません。
まず眩暈といえば脳への栄養が不足していると考えます。脳へ栄養を運ぶものは血液だから血液が不足する原因を考えていきます。
最初から血液不足のひとは血液を増やす当帰・阿膠などが含まれている婦宝当帰膠(ふほうとうきこう)をオススメします。婦宝当帰膠は手足の冷えや肌の乾燥なども一緒に解決してくれます。よく経験しますが、風邪が長引いて2,3日寝込んだ時なども軽い眩暈があります。消化器の働きが健全でないと食べたものの吸収が悪いのでやはり血液の産生がおちる為です。
普段から疲れやすく、食欲の少ない人は補中益気丸(ほちゅうえっきがん)で消化器を丈夫にする事が大事です。このタイプの人で不眠や不正性器出血などがある女性は帰脾錠(きひじょう)がオススメです。
水分の代謝が悪い人は、「痰」が血液の運行を阻害するので「痰」を取り除く半夏百朮天麻湯(はんげびゃくじゅつてんまとう)などです。大便へ1日何回もいき、便が軟らかめで、曇った日など特に調子が悪いタイプです。
血液の粘度が高く流れがスムーズでない場合の眩暈も考えられます。固定した場所に頭痛があったり、顔色が黒ずんでいたり、舌にシミがあったりする場合では冠元顆粒(かんげんかりゅう)や血府逐お丸(けっぷちくおがん)などが適切です。
また、中医学では「腎」-「脊髄」-「脳」、との繋がりを考えています。よく言われる「腎虚」の眩暈もあり、耳鳴り、眼精疲労、などがある場合は杞菊地黄丸(こぎくじおうがん)がよく使われています。高血圧の場合には天麻釣藤飲(てんまこうとういん)となります。
はっきりとした原因がわからず病院で長年治療していて効果が思わしくない人は一度試してみてはいかがでしょうか。
代表的なタイプを紹介します。
まず眩暈といえば脳への栄養が不足していると考えます。脳へ栄養を運ぶものは血液だから血液が不足する原因を考えていきます。
最初から血液不足のひとは血液を増やす当帰・阿膠などが含まれている婦宝当帰膠(ふほうとうきこう)をオススメします。婦宝当帰膠は手足の冷えや肌の乾燥なども一緒に解決してくれます。よく経験しますが、風邪が長引いて2,3日寝込んだ時なども軽い眩暈があります。消化器の働きが健全でないと食べたものの吸収が悪いのでやはり血液の産生がおちる為です。
普段から疲れやすく、食欲の少ない人は補中益気丸(ほちゅうえっきがん)で消化器を丈夫にする事が大事です。このタイプの人で不眠や不正性器出血などがある女性は帰脾錠(きひじょう)がオススメです。
水分の代謝が悪い人は、「痰」が血液の運行を阻害するので「痰」を取り除く半夏百朮天麻湯(はんげびゃくじゅつてんまとう)などです。大便へ1日何回もいき、便が軟らかめで、曇った日など特に調子が悪いタイプです。
血液の粘度が高く流れがスムーズでない場合の眩暈も考えられます。固定した場所に頭痛があったり、顔色が黒ずんでいたり、舌にシミがあったりする場合では冠元顆粒(かんげんかりゅう)や血府逐お丸(けっぷちくおがん)などが適切です。
また、中医学では「腎」-「脊髄」-「脳」、との繋がりを考えています。よく言われる「腎虚」の眩暈もあり、耳鳴り、眼精疲労、などがある場合は杞菊地黄丸(こぎくじおうがん)がよく使われています。高血圧の場合には天麻釣藤飲(てんまこうとういん)となります。
はっきりとした原因がわからず病院で長年治療していて効果が思わしくない人は一度試してみてはいかがでしょうか。
代表的なタイプを紹介します。
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肝陽上亢 (かんようじょうこう) |
交感神経亢進、熱過剰型の人、怒りやすく、血圧が高い人が多い。精神を落ち着ける、陰分(体液)がたりないため、内熱を生じ、頭部に内風が起こり、めまいを発症します。 【代表的な漢方薬】 天麻鈎藤飲・杞菊地黄丸 |
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気血虧虚 (きけつききょ) |
気血の不足により脳を栄養することができない。普段から疲れやすく、動悸や不眠などもある。食事でとった栄養をエネルギーにできない人が多い。 【代表的な漢方薬】 帰脾湯 |
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腎精不足 (じんせいふそく) |
腎→脊髄→脳というつながりにより腎精の不足によって脳髄を満たすことができない。普段から下半身に疲れがあり腰痛や膝の違和感がある。労働が激しい人、長い間、病気を患った人など。 【代表的な漢方薬】 左帰丸を中心とする補腎薬 |
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痰濁中阻 (たんだくちゅうそ) |
普段からお酒や味の濃いもの、脂肪などをよく取り肥満タイプの人、血中に痰濁(コレステロール、中性脂肪など)がたまり、生活習慣病などが気になる人。痰濁が気血の流れを阻害し脳に栄養を送ることが出来ない。 【代表的な漢方薬】 半夏白朮天麻湯・温胆湯 |
『※高等医薬院校教材「中医内科学」参照』
メニエール症候群について
眩暈(めまい)、吐き気の発作をくりかえし、耳鳴りや難聴などの症状を伴い、原因のはっきりしないものがメニエール症候群と診断されるようです。
現代医学的には、内耳が水ぶくれ状態になり、内外のリンパ液のバランスが崩れる結果だと考えられているようです。原因は不明ですが、ストレスや過労が大きく関与しているといわれています。治療は対症療法で眩暈や吐き気を抑える薬剤や、神経伝達をよくする薬剤、精神安定剤、利尿剤、血液循環をよくする薬剤などが使用されます。
「眩暈」「吐き気」「耳鳴り」「難聴」などの症状はそれぞれ関係ないようにみえますが、中医学的には「痰濁(たんだく)」というキーワードでつながります。
中医学では「痰がなければ眩暈は発生しない、痰は火によって動く」などの記述があります。「痰濁」は水分代謝の失調によって産生される病理的物質です。体に必要な水分「津液」に対し、病理的水分を「痰濁」といい、普段皆さんが考える肺から排出される「タン」と同じく中医学では「無形の痰」といい体全体にもこれがあると考えています。この「痰濁」が多くなると「痰濁閉阻」といい「気、血、津液」の流れが悪くなり、「眩暈」「吐き気」「耳鳴り」「難聴」の原因の一つとなります。
水分代謝では消化器が一番重要です。ストレスでは「気滞」、過労では「気虚」となり消化器の働きがわるくなります。消化器の働きが落ちると、水分の代謝機能に影響し「痰濁」が産生されます。
漢方薬は、消化器系を中心に考え二陳湯の加減が一番使用されています。香砂六君子湯(こうしゃりっくんしとう)、温胆湯(うんたんとう)、半夏白朮天麻湯(はんげびゃくじゅつてんまとう)などです。長年の煩わしさからすっかり開放された方はたくさんいます。 漢方薬は医薬品です。ひとりひとりの症状や状況によって、適切な漢方薬や対応方法が異なります。是非一度ご相談にいらしてください。
現代医学的には、内耳が水ぶくれ状態になり、内外のリンパ液のバランスが崩れる結果だと考えられているようです。原因は不明ですが、ストレスや過労が大きく関与しているといわれています。治療は対症療法で眩暈や吐き気を抑える薬剤や、神経伝達をよくする薬剤、精神安定剤、利尿剤、血液循環をよくする薬剤などが使用されます。
「眩暈」「吐き気」「耳鳴り」「難聴」などの症状はそれぞれ関係ないようにみえますが、中医学的には「痰濁(たんだく)」というキーワードでつながります。
中医学では「痰がなければ眩暈は発生しない、痰は火によって動く」などの記述があります。「痰濁」は水分代謝の失調によって産生される病理的物質です。体に必要な水分「津液」に対し、病理的水分を「痰濁」といい、普段皆さんが考える肺から排出される「タン」と同じく中医学では「無形の痰」といい体全体にもこれがあると考えています。この「痰濁」が多くなると「痰濁閉阻」といい「気、血、津液」の流れが悪くなり、「眩暈」「吐き気」「耳鳴り」「難聴」の原因の一つとなります。
水分代謝では消化器が一番重要です。ストレスでは「気滞」、過労では「気虚」となり消化器の働きがわるくなります。消化器の働きが落ちると、水分の代謝機能に影響し「痰濁」が産生されます。
漢方薬は、消化器系を中心に考え二陳湯の加減が一番使用されています。香砂六君子湯(こうしゃりっくんしとう)、温胆湯(うんたんとう)、半夏白朮天麻湯(はんげびゃくじゅつてんまとう)などです。長年の煩わしさからすっかり開放された方はたくさんいます。 漢方薬は医薬品です。ひとりひとりの症状や状況によって、適切な漢方薬や対応方法が異なります。是非一度ご相談にいらしてください。